2017年3月26日日曜日

公明党による口利きの代価

 前回、公明党議員による創価学会員への生活保護受給等に関する、口利きによる不正な
利益誘導について述べたが、こうした実態を知ると、中には創価学会に入って生活保護を
もらおうという、不心得な者も出てくるかもしれない。だが、それは賢明な選択ではない。

 なぜなら、学会の世話になると、財務や聖教新聞の購読等での貢献を求められることに
なるからである。『創価学会財務部の内幕』には、「会員たちが集会で聞かされた幹部の
話」として以下の記述がある。

> 世界広布にはお金がかかるが、財務や新聞(注=「聖教新聞」のこと)などでは全然
> 足りず、全部、池田先生がお金を出してくださり、申し訳ないことです。
> 私たちも精いっぱい頑張って出しましょう、と常々聞かされました。
> ①地区幹部以上は一人二けた以上するように。
> ②小児、学生といえどもお年玉の預金、バイトのお金を出して福運を積ませて上げる
>  ように。
> ③生活保護を受けている人には、しっかり財務をさせて宿命転換をさせるように。


 子供のお年玉や生活保護まで毟り取ろうとするとは、呆れた銭ゲバぶりである。
 また、公明党で地方議員・衆院議員を歴任した大橋敏雄氏も、著書でこう述べでいる。


>  創価学会のなかには、貧しい困った人たちが少なくありません。公明党議員の日常
> 活動は、こうした学会員の面倒を見ることに大きな労力をさかれます。とくに、生活
> 保護、医療扶助、母子家庭など、生活困窮者に対する国の保護の斡旋は、公明党議員
> の場合、他党の議員に比べて圧倒的に多いのです。

>  財務のためのサラ金地獄へ

>  創価学会は、こういう家庭からも容赦なく収奪します。「聖教新聞」や「大白蓮華」
> 等を多部数購入させ、財務も目いっぱい出させるよう幹部が指導します。さからえば
> 生活保護を止められるかも知れない、との懸念から、苦しい生活の中から血の出るよ
> うな思いで、財務を出した多くの家庭の例があります。
> 東京都杉並区に住む一老婆は、毎年数十万円の財務を、「仏様への御供養だから」と
> 幹部にいわれて、続けてきました。今年は百万円を予約していましたが、直前に病院
> に入院しました。この老婆の百万円はまさにトラの子の、最後の残された唯一の財産
> だったのです。
>  ところが創価学会の幹部は、なんと入院先の病院にまで押しかけてきて、「約束の
> 財務百万円は必ず出すように」と強要したのです。恐るべき集金体質ではありません
> か。
 (中略)
>  どうしてもカネが工面できない人の行きつくところは、サラ金などの高利のカネを
> 借りるところです。サラ金で借りてまで財務に応じるなど、一般の人々は信じがたい
> でしょうが、まぎれもない事実です。
>  最近は、サラ金で借金をしてクビが回らなくなる末端学会員が非常に多く、たとえ
> ば京都のある機関に、サラ金地獄の悩みを訴えてきた人の七割が創価学会員であった、
> という事実があります。
 (大橋敏雄著『〝吹けば飛ぶ男〟の奮戦記』より引用)


 学会員は、「創価学会は助け合いの組織」とのたまう。それが事実ならば麗しいことで
ある。しかし、実際には創価学会の「助け合い」には高くつく代価が求められるのだ。

 貧しく困窮している人々のために、便宜を図るように見せかけながら、裏では金銭を搾
り取る。これほど悪質な行為が許されていいのかと、憤るのが真っ当な人間であろう。

 話は変わるようだが、日蓮遺文の一つに『三大秘法抄』というものがある。この遺文は、
日蓮が末法にふさわしい信仰のあり方として考えた三つの「秘法」、すなわち本門の本尊、
本門の戒壇、本門の題目について述べたものである。創価学会はかつて、日蓮正宗の信徒
団体だった頃に、その「秘法」の一つである「本門の戒壇」の具現化として、大石寺の正
本堂を建立した。

 そのような重要教義である「三大秘法」だが、昨今の創価学会では、学会員にとって重
い負担となっている以下の慣行が、それにちなんで「三大悲法」と呼ばれているという。

1、財務
2、聖教新聞の販促活動・多部数購入(マイ聖教)
3、公明党の選挙運動(いわゆるF取り)

 聖教新聞の販促活動は、新聞販売店のみならず、活動家と呼ばれる一般学会員も貢献を
求められるが、信者でもない外部の者が聖教新聞など、金を出してまで取るはずもなく、
学会員が自腹を切ることも少なくないという。世間一般でいう「自爆営業」だが、創価学
会においては「マイ聖教」と呼ばれている。

 F取りにも、交通費や通信費など少なくない経費が必要だが、当然、これらも学会員の
自腹である。「三大悲法」という言葉には、末端学会員の悲嘆が凝縮されているようだ。

 以上で見てきたように、創価学会や公明党は弱者の味方を装っているが、その実態は、
「搾取的」と言うほかない。このようなロクでもないカルトには、一刻も早く滅びてほし
いものである。


補足1

 引用中に「全部、池田先生がお金を出してくださり、申し訳ない」との記述があるが、
池田大作が私財を投げ打って、学会の布教活動をまかなっているというのは、学会内では
よく知られ、信じられている伝説の一つである。

 この伝説の内容は、おおむね次のようなものである。
〝池田先生は、たくさんの本を執筆されているので多額の印税収入があるが、その全額を
広宣流布――布教活動のこと――のために寄付し、聖教新聞社の給料、25万円だけで、妻
と三人の息子の家族の生活をまかなっている。しかも借家住まいなので、実質の生活費は
10万円ほどしかない〟

 確かに、池田の代表作である『人間革命』第二巻のあとがきには、「印税を、広宣流布
のために寄付させて頂いたことを御報告しておく」と、述べられている。

 この美談がすべて事実なら、まさに模範的な清貧の指導者だが、この伝説は、池田大作
の他の多くの虚飾と同じく、まったくの作りごとである。

 そもそも『人間革命』を実際に執筆したのは、篠原善太郎氏である。ゴーストライター
に書いてもらった本の印税を、自分の名義で実際に寄付したのだとしたら、それはただの
売名行為であろう。

 今までこのブログで述べてきたように、池田大作は貧しい学会員から、財務等で搾り取
った金で、自分専用の豪華施設を数多く建設させていた。

 また健在だった頃は、毎年のように海外へ出かけていたが、その際には、専属の料理人
や美人の女性通訳など、大勢の取り巻きを引き連れていた。大名旅行そのものである。

 〝清貧の指導者〟という池田大作の化けの皮は、多くの元学会幹部の暴露により、とっ
くの昔に剥がれ落ちているのだが、学会員はそうした暴露はすべてウソと洗脳され、今も
少なくない者が上記の伝説を信じている。


補足2

 『三大秘法抄』は正しくは『三大秘法稟承事』という。実はこの遺文には、日蓮の真筆
が現存せず、真贋論争に決着がついていない。

 ただ「三大秘法」に類する考え方は、『報恩抄』(真蹟曽存)という別の日蓮遺文にも
記されているので、「三大秘法」がまったく出鱈目の教義というわけではない。

 だが「霊山浄土に似たらん最勝の地を尋ねて戒壇を建立すべき」と、具体的な記述があ
るのは、『三大秘法抄』だけである。

 「霊山浄土に似たらん最勝の地」とは、富士山麓のことと解されていたので、創価学会
は静岡県富士宮市にある大石寺に、三大秘法の戒壇として正本堂を建立した(昭和47年竣
工)。

 つまり創価学会は、本当に日蓮の真意が記されたものか否か、断定できない文書の記述
に基いて、「正本堂建設のため」と称し、学会員から多額の金を集めたのである。

 しかもその正本堂は、建立された当時は「千年はもつ」などと喧伝されていたのに、創
価学会が破門された後に、日蓮正宗により取り壊され、現在は存在していない。いかにも
インチキ宗教らしい話である。